漆で塗った塗り物製品は、
「しばらく寝かせておく」
という言い回しをします。
「しばらく寝かせておく」というのは、しばらく放置しておくということを表わします。
箱に入ったままでも結構ですので、しばらく使わないでおくことをお勧めします。
塗りたての漆は、乾いているように見えても、完全に乾ききっていません。
完全に乾いていないお椀に、熱い汁物などを入れると、漆の変色の原因にもなります。
それでは完全に乾くには、どれくらいかかるのでしょうか?
余裕を見て、半年は「寝かせておく」といいでしょう。
漆は塗った時の温度・湿度によって、乾き具合なども違ってきます。なかなか上手く乾かない時期もあれば、そうかといって早く乾けばいいということもありません。早く乾きすぎるのもよくないのです。梅雨前の5月くらいの温度・湿度が漆にとっては一番良いそうです。
漆の乾き具合とともに、臭いもだんだん薄れてきますので、漆の臭いが気になる方は、充分に乾いて、臭いが薄くなってからお使いいただくのが理想です。
乾いていくのと同時に、朱色や溜色などは、どんどん明るく変化していくのも漆の特徴です。
漆は生きているということですね。