漆器屋に生まれ育った私ですが、漆器の食器ばかり使っているのかというと全然そうではないし、実際陶器の食器のほうが多いのです。
漆器修理ご依頼のお客様で、木の器が好きで食器は陶器より漆器が多いとおっしゃる方がいらっしゃいました。
漆器屋の私が言うのもなんですが、なかなかこういう人っていらっしゃらないんじゃないかと。私の周りのお友達にもいないと思う。
思わず、「すごいですね〜!」と言ってしまいました。
よくよく聞くと、木の温かみが良いからということでした。
漆器は扱いにくいから・・・と敬遠する人が多い中、漆器を好んで使う人がいるんです。
ということで、改めて木の食器のメリットとデメリットを考えてみました。
木の食器のメリット
- 軽い
- 熱伝導率が悪いので、温かいものがなかなか冷めない
- 口当たりが優しい
- 上手に使えば、一生使える(漆を塗ることでより丈夫)
- 修理可能
- 捨てる場合も環境に優しい
木の食器のデメリット
- 電子レンジは使えない
- 食器乾燥器は使えない(最近では対応のものも売られていますが、永く使うためにはなるべく使わないほうが好ましいと思う)
- たわしや粗いスポンジで洗えない(傷がつく、塗りが剥げる)
- 長い間水に浸けておくことは、傷みが早くなるのでしないほうがいい。
- 綺麗に汚れをとるためには水ではなくぬるめのお湯が望ましい
- 温度の変化や乾燥に弱いので冷蔵庫などで保存しない
- 金属製のスプーンやフォークを使うと傷がつきやすく、塗りが剥げやすい
木の食器の良し悪しをしっかり理解した上で、毎日の食卓に漆器を上手に取り入れていくと、お料理もワンランク上に見えるかも?!しれません。