今日はずいぶん暖かい日でした。日に日に春が近づいてくるようでなんとなくウキウキしてきます♬ 春に近づくのは嬉しいのだけど、花粉はちょっと勘弁(/_;)
漆器職人さんの工房見学
昨年末、福井県内の大学の学生さんから漆器の見学がしたいという問い合わせがありました。
12月は重箱出荷のため繁忙期で大変申し訳無いですがお断りしました。改めて年明けにということで、今日ようやく案内させてもらいました。大学4年生の可愛らしい女性の学生さん3人が訪ねてこられました。
今回見学したのは、丸物師の漆塗り職人さん宅、プラスチック成型工場、伝統工芸士の蒔絵師さん宅の3軒です。
職人さんには予めお願いしておいたのですが、皆さんお仕事中にもかかわらず快く受け入れてくれました。
1軒目 塗師屋さんの仕事場へ
塗師屋さんの仕事場の玄関を開けると、プーンと漆独特の臭いがします。
学生さん3人に漆かぶれは大丈夫か確認したところ、漆自体馴染みがないのでかぶれるかどうかもわからないとのこと。かぶれないことを祈ります。
これから塗るお椀、塗リ途中のお椀などずらりと並んでいる仕事場の温度は約20度、湿度は80%に保たれていました。これは、漆が乾くのに適度な温度・湿度だそうです。そのために本当は部屋に窓をつけたくなかったそうなのですが、とりあえず小さい窓を一つだけつけたと話してくれました。
刷毛を使って実際塗るところを見せてもらったり、職人さんならではの苦労話を聞いたり、これからの後継者についての考えを聞いたりと、学生さんたちも熱心に耳を傾けていました。
2軒目 プラスチック成型工場
次に向かったのは、プラスチック樹脂の成型工場見学。
大きな成型の機械から自動で食器の素地が出来上がる工程を見るなんてなかなかないことなので、説明を聴きながら興味深く見ていました。
一つの金型を設置するのに約1時間はかかるということで、その手間を考えると最低1日機械が動く分、仕上がります。
その後、3Dプリンターを使ってサンプルを作る説明をひと通り聞いて、これからの先端技術に少しでも触れることができたのは良かったと思います。
ここでも、とても丁寧に説明してくださって、仕事に対する考え方などとても参考になったと思います。
3軒目 伝統工芸士蒔絵師さん
最後は伝統工芸士 竹内信博師の工房へ
竹内さんと私の会社は、もう50年以上の付き合いです。私の祖父の時代からずっとお願いしている蒔絵師さんです。
蒔絵の作品をはじめ、普段使っている蒔絵筆をみせてもらったりと、学生さんたちにとっては全て初めてのことでした。
お椀やお盆だけではなく、スマホケースやガラス・水道管などちょっと変わったものにも蒔絵を描いているというお話や、普段どんなことを思って仕事をしているのかなど、いろんなことを話してくれました。
こうして3軒回って、付き添いでお邪魔した私もすごく勉強になりました。
職人さんそれぞれがとても温かい人達で、こういう人たちの手によって作られる漆器を多くの人に使ってもらいたいなと思いました。
これから社会にでる学生さんたちにはこの漆器の産地がどのように見えたでしょうか?これからの人生に少しでも役に立つことがあるといいなと願っています。