例年より早く初雪を観測した福井です。とうとう冬がやってきてしまいました。暑い暑いと言っていたのが嘘のように、寒い寒いと言う日がしばらく続きそうです。
少し前のことですが、あるお客様から納めた漆器のお弁当箱に何個か不良があったので直してほしいという連絡がありました。
発送する際、検品は必ずしています。ただ、人間なので検品もれがあったのかもしれないとその時は思っていました。
その翌日、早速届いた荷物を開けて、不良だと指摘を受けたお弁当箱を見たのですが、どこが不良だと思われているのか???本当にわからない状況でした。強いていうなら線がはいった部分が多少薄いかな?とか、小さな小さなブツのことかな?といった感じで無理に推測しないとわからない状況でした。
そんな時、数日後にタイミングよく担当者の方が福井の方へおいでになるという連絡があり、漆器の作業工程を見学したいというご希望をうかがいました。
早速社内で相談して何軒かの下請けさんに現場を見学させてもらえるようお願いしました。どの下請けさんも一番忙しい時期にもかかわらず、快く承諾してくれました。急な話なのに本当に有難いことです。
そして当日、作業工程の違う下請けさんを4件訪ねて、それぞれに説明をしてもらいながら見学することになりました。せっかくなので、不良と指摘されたお弁当箱を仕上げてくれた下請けさんのところも敢えて見学をお願いし、どのような作業をするのか、仕上げる時にどういうところに気をつけているのか、など、プロならではの説明を加えながらお客様に話してもらったのです。
その説明を受けて、いかに仕上げるまでが大変かを充分に納得していただくことができたのです!おかげで、問題のお弁当箱はそのまま納めることになりました。
お客様はいろんな漆器の工程をみることが出来てとても良かったと喜んで帰られましたし、私達も一安心でした。これもひとえに下請けの職人さんのおかげです。
今回のことで改めて思ったことは、口で一生懸命説明しても理解してもらうのは困難だけれど、作業の現場を実際見てもらいながら説明するのはとても効果的だということです。
まさに百聞は一見にしかずでした。
こんなグッドタイミングなことがいつもあるわけではないので、実際に見に来てもらうことができなければ、動画の活用は絶対アリですね。