弊社で扱う重箱は、樹脂製の業務用の重箱が主ですが、漆器の修理サイトをたちあげてから、いろんな木製の重箱のお直しが送られてきます。
ご家庭で木製の重箱を使われているところは昔から比べればずいぶん減ったのでしょうけど、結構みなさん持ってらっしゃるなという印象です。きっとまだまだお家にあるけれど、使っていないという重箱もあるんでしょうね。
重箱の一番活躍する時期は一年の始まりであるお正月です。おせち料理を盛り付けて、家族でお祝いするというのが日本のごく一般的なお正月の迎え方ですね。
そしてもうひとつの主役はお雑煮です。お雑煮のお椀、いわゆる雑煮椀もお正月には欠かせません。
樹脂製の重箱や雑煮椀なら、塗って間もなくから使っても、臭いも気にならず、塗装の乾きも問題ないので、全然OKですが、漆塗りとなるとそうはいきません。漆は生きていますので、半年から一年かけて表面も硬く乾いていきますし、漆の臭いも徐々に薄くなっていきます。
職人さん曰く、しっかり乾かしながら塗ってはいるから、1ヶ月で使用することもかのうだけれど、やはり少しでも永く置いておいたほうがいいということです。
漆塗りの重箱や雑煮椀は、秋に入るまでに塗っておくのが理想です。そういえば、夏の暑い時期に、漆塗りの職人さんが雑煮椀をまとめてたくさん塗っておられました。
安心して使うなら、塗ってしばらく置いたお椀や重箱がより安心です。塗って半年が理想ですがせめて3か月くらいは置きたいものです。
修理の重箱も秋から漆塗りするものは、お正月にお使いになることをあまりお勧めはしませんが、使えないことはありません。ただし、熱いものを入れるとあっという間に漆が変色する場合がありますので、かならず冷ましてから盛り付けてください。これは、半年経っても、1年経っても同じことです。しつこいようですが、冷ましてから盛り付ける、これは頭に入れておいてくださいね~