木の材質とデザインを決める 味噌汁椀を作る2

味噌汁椀を作ると決めて、デザインをどうしようか考えました。

→前回の記事 【木製で漆塗りのお椀が欲しい! 味噌汁椀を作る1】

お椀の形はいろいろあって、調べていたら、以前私が書いたブログでもお椀の形状の紹介をしていた記事を見つけました。4年前にこんな記事を書いていたんだなぁと・・・すっかり忘れていました!

お椀の形状

4年前の記事の中で図で説明していたのが↓

design_wan

シンプルで手になじむ形が良いのでは?ということで、仙才型に近いものに決定。

サイズは、やや小ぶりの直径約11センチで高さは約7センチのお椀を作ることにしました。容量でいうと、7,8分目入れて180cc~200ccくらいで、具を入れると150ccくらいになるかなといったところですね。

形状は仙才よりもふっくらしていて、布袋よりスマートで、いたってシンプルなものになる予定です。近いお椀のサンプルがあるので、後の細かいところは丸物師さんに挽いてもらいながら、その場で決めていくことにしました。

 

お椀の木の種類

形状を決めたところで、次はどんな木を使うか?ということ。

お椀の木の種類

↑これは、うるしの里会館(越前漆器会館)に展示されているものです。古くから河和田で使われていた主なものが「栃」、「ミズメ(水目桜)」、「欅」の3種類だったようです。

 

それぞれの原木の特徴

※「創立110周年記念誌 越前漆器」より

【栃】  年輪による堅さ・柔らかさの差が少なく軽い。木瘦せが少なく、ねばりがあって柔らかいので、加工しやすく、丸物製品に最適である。

【ミズメ】  年輪による堅さ・柔らかさの差が少なく、木質は堅く思い。堅くねばり強いので、高級吸物椀等に適している。

【欅】  木材のうちで強度・ねばり共に一番で、細かい穴がある。堅牢で、全体にある細かい穴に漆が這入るとねばりや堅さが増し、特に薄手の極上品にてきしている。

私の希望は、「ミズメ」。

ただ、原木の調達がなかなか大変らしく、最低でも3ヶ月から半年はかかるかも・・・。こういうことを見込んで、早め早めに注文を入れておく必要がありそうです。

ところが、材木を調達してくれる製材屋さんに聞いてもらったところ、たまたま希望の大きさのお椀が作れるくらいの材料が50個ほど手に入るという知らせがあったのです!運がいいことに3ヶ月待たずして手に入りそうです。

 

ところで、材木はどこから仕入れるの?

丸物木地製造は、2段階に分かれています。

製材屋さんで、丸太の状態からある程度お椀の形になったもの(仕上げるお椀のサイズよりやや大きいもの)に加工します。この状態を「荒挽(あらびき)」といいます。

その後、丸物木地師によって仕上げ挽きされます。この状態を「白木地」といいます。

 

じゃあ荒挽きをする製材屋さんってどこにあるのでしょうか?

現在は、お隣の石川県の山中漆器産地の製材屋さんでお願いしているそうです。

荒挽きの材料になるまでの工程を実際見てみたいという好奇心にかられ、石川県加賀市の白鷺木工さんというところに見学をお願いしたところ、快諾してくださいました。

その様子は、次回のブログ記事で!

 

ここで余談ですが・・・

全国で唯一の学校がある山中漆器産地

お椀のように丸いものを挽くためには、轆轤(ろくろ)挽きの技術が必要ですが、丸物木地の職人はどんどん減っています。山中漆器は全国的にも丸物師が多い産地で、現在60名ほどいらっしゃるとか。私たち越前漆器の産地では数えるほどでかなり危機的状態です。

実は、山中には全国で唯一、挽物轆轤(ひきものろくろ)技術研修所という丸物の技術を磨く学校があるんです。

研修所で学べば轆轤(ろくろ)を挽くためのある程度の技術は身につくものの、同じ形状をたくさん作るといった量をこなすための技術を身につけるには、個人差はあると思いますが卒業後4,5年はかかるだろうと聞きました。今後こういう人たちをいかに育てていくかということが伝統産業においてはとても重要な課題です。

 

投稿者:

ooishi

実家の漆器屋で働いているワーキング主婦。夫と二人の子供の4人家族です。 仕事や趣味を思いっきり楽しむために、日頃興味のあることをこのブログに綴っています。

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