漆器屋が教える「お椀の部分名称や形について」

以前のブログにも書きましたが、漆器のメモとして改めて「椀の部分名称」についてです。

お椀というと、木製や樹脂でできた塗り物製品です。普段使いの味噌汁椀から割烹用のフタ付のお椀、デザインもサイズもさまざまです。

漢字で書くと、陶器でできたお茶碗は、「いしへん」、木製でできたお椀は「きへん」ですね。では、樹脂でできたお椀は・・・「きへん」で書いています。

それでは、業界で使っているお椀の部分名称を解説します。

■お椀の部分名称

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お椀は、蓋(ふた)と親(おや)から成ります。親の事を身(み)と呼ぶこともあります。ご家庭の味噌汁椀などは、一般的に蓋は使用しません。蓋のつまみや、親の下のつまみの部分を高台(こうだい)と呼びます。お椀の形状によっては、ボウルみたいなデザインの高台がないものもあります。親(おや)の口をつける部分を上渕(うわぶち)、ハタ、天と呼んでいます。

 

memo_wan_name蓋を返した裏側を「見返し(みかえし)」と呼びます。蓋付きのお椀によっては、吸い口から1センチほどのところに段(だん)がある場合があります。これは蓋の裏返り防止のためです。中にお汁が入っている場合に、蓋がひっくり返るとお汁がこぼれて大変なことになりますものね。この段が入ったお椀は、木製ではなく、樹脂製のお椀がほとんどです。木製で漆塗りであれば、漆自体がすべりにくい特長を持っているので、段をつける必要がないのです。樹脂で化学塗料で吹付加工をしたお椀ですと、そういった特長がないため、段をつけています。段がないほうがすっきりしたデザインですが、段をつけることで、機能性がUPします。

 

 

■お椀の形について

お椀だけでも、いろいろな種類があります。お椀を選ぶ際、容量、積み重ね、デザインなどいくつかの事を考慮に入れて購入するのだと思いますが、ここで、ごく一般的なお椀の形を紹介します。

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仙才(せんさい)型のお椀

現在では、もっとも一般的なデザインといえるでしょう。ゆるやかな曲線を帯びたデザインで、積み重ねもよく、容量的にも多すぎず、少なすぎず、といったお椀です。

 

羽反(はぞれ)型のお椀

吸い口の上の部分が外に向かって反っているので「はぞれ」と呼ばれています。羽反(はぞれ)椀は口もつけやすく、持ちやすいのが特長で、形も可愛らしいですね。

布袋(ほてい)型のお椀

丸みを帯びたどっぷりした形の布袋(ほてい)椀。丸味を帯びている分、可愛らしいのですが、積み重ねはよくありません。どっぷりしているので、容量はたくさん入ります。

 

小槌(こづち)型のお椀

浅型で、曲線もあまりない小槌(こづち)椀。ひと昔前は、この小槌椀が主流でした。積み重ねは抜群ですが、形が今風ではないのか、最近ではあまり売れないデザインです。

 

たまご型のお椀

最後に紹介するのは、見た目の通り、たまご椀です。蓋と親セットで、たまごの形にそっくりですね。たまご椀は、直径10cm以下の小吸椀に多い形です。

 

ほんの一部を紹介しました。読み方なども難しいのか、カタログやネットを見て電話で注文されるお客様に、「はね、はん、わん?(はぞれ椀のこと)」とか「ぬのふくろわん(ほてい椀のこと)」とかと言われることもあります。業界独特の読み方などは、まだまだありますが、それについてはまた今度ということで。

お椀の名称や形について、少しは理解いただけましたか・・・

投稿者:

ooishi

実家の漆器屋で働いているワーキング主婦。夫と二人の子供の4人家族です。 仕事や趣味を思いっきり楽しむために、日頃興味のあることをこのブログに綴っています。

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